トウカイテイオー(1988.4.20)-JRA賞年度代表馬(No.5)-

トウカイテイオー 牡 鹿毛 1988.4.20生~2013.8.30没 新冠・長浜牧場生産 馬主・内村正則氏 栗東・松元省一厩舎

トウカイテイオー(1988.4.20)の4代血統表
シンボリルドルフ
鹿毛 1981.3.13
パーソロン
鹿毛 1960
Milesian
鹿毛 1953
My Babu 1945
Oatflake 1942
Paleo
鹿毛 1953
Pharis 1936
Calonice 1940
スイートルナ
栗毛 1972.5.4
スピードシンボリ
黒鹿毛 1963.5.3
ロイヤルチヤレンヂヤー 1951
スイートイン 1958
ダンスタイム
鹿毛 1957
Palestine 1947
Samaritaine 1949
トウカイナチユラル
鹿毛 1982.5.20
ナイスダンサー
鹿毛 1969.3.6
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Nice Princess
栗毛 1964.3.23
Le Beau Prince 1952
Happy Night 1957
トウカイミドリ
鹿毛 1977.3.20
フアバージ
鹿毛 1961.4.19
Princely Gift 1951
Spring Offensive 1943
トウカイクイン
鹿毛 1966.4.17
アトランテイス
鹿毛 1959
トツプリユウ
黒鹿毛 1959.4.1

<5代血統表内のクロス:Milesian3×5>

トウカイテイオー(1988.4.20)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
シンボリルドルフ
(My Babu系)
ナイスダンサー
(Northern Dancer系)
フアバージ
(Princely Gift系)
アトランテイス
(Djebel系)
牝系 母の何番仔?
伯母トウカイローマン
(No. 19-b 星友系)
2番仔
(2連産目)

*

1991年の第51回皐月賞(GI。中山芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 18 トウカイテイオー 牡3 安田 隆行 2:01.8   松元 省一 1
2 2 シャコーグレイド 牡3 蛯名 正義 2:02.0 1 矢野 照正 16
3 13 イイデセゾン 牡3 田島 良保 2:02.2 1・1/4 大久保 正陽 5
4 11 イブキマイカグラ 牡3 南井 克巳 2:02.3 3/4 中尾 正 2
5 10 ダンスダンスダンス 牝3 的場 均 2:02.3 クビ 柄崎 孝 15
1991年の第51回皐月賞(GI。中山芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 10.8 – 12.1 – 12.8 – 12.4 – 12.1 – 12.3 – 12.4 – 12.3 – 12.3
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.1 – 35.2 – 48.0 – 1:00.4 – 1:12.5 – 1:24.8 – 1:37.2 – 1:49.5 – 2:01.8
上り 4F 49.3 – 3F 37.0

今は懐かしき単枠指定、ピンクの帽子唯1頭だったトウカイテイオー。見れば勝ち時計2分1秒8は、中山で行われた皐月賞史上2位の好時計。稍重の馬場で叩き出したのですから、サスガにトウカイテイオー。なお、当時の皐月賞レコードは父シンボリルドルフが持っていた2分1秒1でした。

また、2着に連れてやって来たのがミスターシービー(1980.4.7)の仔、シャコーグレイド(1988.3.27)。日本の三冠馬の仔どうしでのワンツーフィニッシュでした。

#シャコーグレイド現年齢表記6歳秋の東京スポーツ杯(OP)も忘れ難きレースです。2歳時の葉牡丹賞以来、3年10ヶ月ぶりの勝利は、1994年10月23日の日曜日、トウカイテイオーの引退式当日でした。

*

1991年の第58回東京優駿(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 20 トウカイテイオー 牡3 安田 隆行 2:25.9   松元 省一 1
2 11 レオダーバン 牡3 岡部 幸雄 2:26.4 3 奥平 真治 2
3 13 イイデセゾン 牡3 柴田 政人 2:26.6 1・1/4 大久保 正陽 4
4 12 コガネパワー 牡3 田原 成貴 2:26.8 1・1/4 鶴留 明雄 7
5 14 ソーエームテキ 牡3 的場 均 2:26.8 ハナ 土門 一美 5
1991年の第58回東京優駿(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.2 – 12.8 – 12.4 – 12.4 – 12.0 – 12.1 – 12.0 – 12.1 – 12.6 – 11.7 – 12.1
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.7 – 36.5 – 48.9 – 1:01.3 – 1:13.3 – 1:25.4 – 1:37.4 – 1:49.5 – 2:02.1 – 2:13.8 – 2:25.9
上り 4F 48.5 – 3F 36.4

皐月賞に続いて、ピンクの帽子唯1頭のトウカイテイオー。東京優駿史上に残る大楽勝は父仔2代による無敗の二冠達成の瞬間でした。勝ち時計2分25秒9は、前年のアイネスフウジン(1987.4.10)の2分25秒3に次ぐ、史上2頭目の2分25秒台の好時計でした。

*

1992年の第12回ジャパンカップ(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 14 トウカイテイオー 牡4 岡部 幸雄 2:24.6   松元 省一 5
2 7 ナチュラリズム 牡4 L.ディットマン 2:24.7 クビ D.L.フリードマン 2
3 9 ディアドクター 牡5 C.アスムッセン 2:24.8 1/2 J.ハモンド 4
4 6 レガシーワールド せん3 小谷内 秀夫 2:25.4 3・1/2 戸山 為夫 10
5 13 ヒシマサル 牡3 武 豊 2:25.5 3/4 佐山 優 8
1992年の第12回ジャパンカップ(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.9 – 11.2 – 12.8 – 11.7 – 11.7 – 11.5 – 11.8 – 11.9 – 12.3 – 12.6 – 11.7 – 12.5
ラップの
累計タイム
12.9 – 24.1 – 36.9 – 48.6 – 1:00.3 – 1:11.8 – 1:23.6 – 1:35.5 – 1:47.8 – 2:00.4 – 2:12.1 – 2:24.6
上り 4F 49.1 – 3F 36.8

1992年の第12回、この年から国際GIとして認められたジャパンカップ。11月末、極東の冬枯れのターフに世界から強豪が集まりました。それにしても豪華メンバーですね。この年の外国招待馬7頭を人気順に記してみると

  1. ユーザーフレンドリー(1989.2.4)
    →1992年のカルティエ賞年度代表馬にして、英セントレジャーS(GI)、英オークス(GI)、愛オークス(GI)、ヨークシャーオークス(英GI)勝ち馬
  2. ナチュラリズム(1988.10.19)
    →1992年のAJCダービー(豪GI)、ローズヒルギニー(豪GI)の勝ち馬
  3. レッツイロープ(1987.11.20)
    →1991年~1992年シーズンの豪州年度代表馬。その期間にメルボルンC(豪GI)、コーフィールドC(豪GI)、マッキノンS(豪GI)、オーストラリアンS(豪GI)勝ち
  4. ディアドクター(1987.5.12)
    →1992年のアーリントンミリオン(米GI)の勝ち馬
  5. クエストフォーフェイム(1987.2.15)
    →1990年の英ダービー(GI)馬。1992年のハリウッドターフH(米GI、現チャールズウィッティンガムメモリアルH)勝ち馬
  6. ドクターデヴィアス(1989.3.10)
    →1992年の英ダービー、愛チャンピオンS(GI)勝ち馬。他にデューハーストS(英GI)勝ち
  7. ヴェールタマンド(1988.1.26)
    →ジャパンカップ出走時点では仏GII1勝、仏GIII1勝も、1993年にガネー賞(仏GI)勝ち

むぅ、こんなメンバーはもう集まってくれないような気がします……。ちなみに、レッツイロープ(Let’s Elope)は「駆け落ちしよう」という意味ですが、当時フジテレビ系列の深夜のスポーツ番組に出演されていた東ちづるさんが、「良い名前ですね」とおっしゃっていたことを思い出します。

閑話休題。さながら「世界最速の選手権距離王者を決めるレース」。そんな様相を呈した、国際GIとして初回の第12回ジャパンカップ。

勝ったのは、我が国のトウカイテイオーでした。

こんな豪華メンバーでも、戦前5番人気でも、なんにも関係なし。勝つ時はいつでもサラっと、鮮やかすぎるくらい、鮮やかに。

第5回を制したお父さんと同じく大外から発進して、ジャパンカップ史上初の父仔制覇。併せて、岡部騎手には史上初のジャパンカップ2勝目をプレゼント。

鹿毛の流星、目もと涼やか、脚並みも軽やかに、トウカイテイオー。その鞍上には桃色の帽子に「白、青山形一本輪、桃袖」の勝負服の岡部騎手。

馬と人、その綺麗さが渾然一体となって、今もまぶたの裏に、蘇ります。

*

1993年の第38回有馬記念(GI。中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 4 トウカイテイオー 牡5 田原 成貴 2:30.9   松元 省一 4
2 13 ビワハヤヒデ 牡3 岡部 幸雄 2:31.0 1/2 濱田 光正 1
3 12 ナイスネイチャ 牡5 松永 昌博 2:31.6 3・1/2 松永 善晴 10
4 8 マチカネタンホイザ 牡4 柴田 善臣 2:31.6 アタマ 伊藤 雄二 13
5 9 レガシーワールド せ4 河内 洋 2:31.7 クビ 森 秀行 2
1993年の第38回有馬記念(GI。中山芝2500m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
7.0 – 11.2 – 11.9 – 11.4 – 11.7 – 12.4 – 13.3 – 12.4 – 12.1 – 12.2 – 12.0 – 11.5 – 11.8
ラップの
累計タイム
7.0 – 18.2 – 30.1 – 41.5 – 53.2 – 1:05.6 – 1:18.9 – 1:31.3 – 1:43.4 – 1:55.6 – 2:07.6 – 2:19.1 – 2:30.9
上り 4F 47.5 – 3F 35.3

競馬を見て大泣きした初めてのレースでした、1993年の第38回有馬記念。鹿毛の流星、両前脚が高く上がり、中山のオーバーシードを蹴る度に、芦毛の新王者との差を詰めて、最後は2分の1馬身先着していました。前年の有馬記念を1番人気11着と凡走して以来、中363日の長期休養明けをものともしない、見事な勝利でした。

トウカイテイオーは、自身の持ち得る最大限の能力に人気が及んでいない時、「さもありなん」と勝利を収め、良い意味で人々を裏切ったのです。

前年のジャパンカップ然り、この有馬記念然り。

熱血系の美男子は、齢重ねて骨折を繰り返す度、その代わりに、反骨心を得ていたのかも知れませんね。

*

トウカイテイオー。

口ずさめば、その甘美な響きと共に、鹿毛の流星を思い起こします。

彼ほどに人心をつかむことの出来る馬は、そうそう現れません。

美しさと強さと、儚さと脆さと。

トウカイテイオーという馬は、その意味で、唯一無二です。

  

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[トウカイテイオー(1988.4.20)の主な競走成績]

  1. 東京優駿(GI)、ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)、皐月賞(GI)、産經大阪杯(GII)

通算12戦9勝。

20世紀の名馬 第05位 トウカイテイオー
20世紀の名馬 第05位 トウカイテイオー 何度聴いても最後の有馬記念はガチで泣く。 画質最優先のため、音質はモノラルになってますがご了...

トウカイテイオー|名馬メモリアル|競馬情報ならJRA-VANN
競馬史に偉大な足跡を残したトウカイテイオーを紹介します。

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