マッドクール(2019.3.29)-第54回高松宮記念(GI)の勝ち馬-

マッドクール 牡 芦毛 2019.3.29生 愛・Moyglare Stud Farm Ltd生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・池添 学厩舎

マッドクール(2019.3.29)の4代血統表
Dark Angel
芦毛 2005.4.4
Acclamation
鹿毛 1999.4.26
Royal Applause
鹿毛 1993.2.24
ワージブ 1983.5.20
Flying Melody 1979.5.17
Princess Athena
鹿毛 1985.3.30
Ahonoora 1975.4.12
Shopping Wise 1965
Midnight Angel
芦毛 1994.2.2
Machiavellian
黒鹿毛 1987.1.31
Mr. Prospector 1970.1.28
Coup de Folie 1982.4.2
Night At Sea
芦毛 1987.4.18
Night Shift 1980.4.4
Into Harbour 1973.4.13
Mad About You
鹿毛 2005.1.28
Indian Ridge
栗毛 1985.3.22
Ahonoora
鹿毛 1975.4.12
Lorenzaccio 1965.2.23
Helen Nichols 1966
Hillbrow
栗毛 1975
Swing Easy 1968
Golden City 1970.3.1
Irresistible Jewel
鹿毛 1999.5.3
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
In Anticipation
鹿毛 1991.2.6
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Aptostar
鹿毛 1985.3.25

<5代血統表内のクロス:Ahonoora3×4、Northern Dancer5×5×5>

マッドクール(2019.3.29)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
Dark Angel
(トライマイベスト系)
Indian Ridge
(Clarion系)
デインヒル
(Danzig系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
牝系 母の何番仔?
母系4代の母の内3頭がGレース勝ち馬
(No. 1-l)
6番仔?
(3連産目?)

*

2024年の第54回高松宮記念(GI。中京芝1200m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 2 マッドクール 牡5 58 坂井 瑠星 1:08.9 3-3 33.7 540
[+18]
池添 学 6
2 3 ナムラクレア 牝5 56 浜中 俊 1:08.9 アタマ 10-10 33.2 470
[-8]
長谷川 浩大 2
3 10 ビクターザウィナー せん6 58 K.リョン 1:09.4 3 1-1 34.5 494
[-1]
C.シャム 5
4 13 ウインカーネリアン 牡7 58 三浦 皇成 1:09.6 1 1/2 2-2 34.6 518
[0]
鹿戸 雄一 11
5 12 ロータスランド 牝7 56 岩田 康誠 1:09.6 ハナ 13-13 33.7 496
[+4]
辻野 泰之 12
2024年の第54回高松宮記念(GI。中京芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 10.8 – 11.6 – 11.4 – 11.0 – 11.6
ラップの
累計タイム
12.5 – 23.3 – 34.9 – 46.3 – 57.3 – 1:08.9
上り 4F 45.6 – 3F 34.0

中京芝1200m、小雨の重馬場、18頭立て。

桶狭間の地で行われる春のスプリント王決定戦、3月の時期に定着してから25年ですから四半世紀と思いますと時は流れました。そんな高松宮記念の第54回は、香港からビクターザウィナー(2018.9.5)の参戦もあり、例年にも増して楽しみなメンバー構成となりました。そうして2024年の一戦を制したのは、戦前6番人気だったマッドクール。若手気鋭の坂井瑠星騎手が逃げ先行策を取った時の安定感は、海外遠征時のバスラットレオン(2018.3.25)や昨日の毎日杯(GIII)のメイショウタバル(2021.4.20)でも感じるところですが、1枠2番から好発を決めて飛び出すと、外のビクターザウィナー、ウインカーネリアン(2017.4.16)を行かせて3番手追走。600m通過34秒9と重馬場らしいペースを見た時に「前の勝負」と思いましたが、中京芝Bコースの直線412.5mを向いたところでも前に行った馬たちの脚勢がしっかりしていました。どの馬が抜け出すかと見ていたら、緑の芝の上に映える白い馬体、白の帽子に「黒、赤十字襷、袖黄縦縞」の勝負服を乗せたマッドクール、坂井騎手の渾身の右ムチに応えると残り200m地点では先頭。「これは上手く立ち回った」と思っていたところで、1頭だけ矢のように伸びて来た馬がいました。昨年の第53回2着の無念を晴らすべく鋭脚を見せたナムラクレア(2019.3.30)、マッドクールとの差がどんどん無くなって、ほとんど同時に飛び込んだところが決勝点。ただ、それでも僅かに残したように見えたマッドクール、確定してみれば「アタマ」だけ先んじていました。

マッドクールについては、昨年2023年のスプリンターズS(GI)2着の折に

昨年末の知立Sで4連勝を果たした際に「これは強いスプリンターが出て来たな。血統は……、むぅ、サンデーレーシングはこういうサンデーサイレンスを持たないマル外馬を上手く募集馬にするなぁ」と思ったのでした。

ママコチャ(2019.4.5)-第57回スプリンターズS(GI)の勝ち馬+α-

と書いていたのですけれど、日本のハーレムにおいて希少な血をちゃんと導入されるところが大社台グループ。母父にTourbillon(1928)系のミラクルサイアーIndian Ridgeを持っている馬なんて、2024年現在の日本ではなかなか拝めません。そしてマッドクールの高松宮記念勝ちにより、馬主の(有)サンデーレーシングは、史上初めて現行のJRA・GIをジャンプレースのJ・GIも含めて26レース全て勝利を収められたということです。恐れ入りましたm(_ _)m

【高松宮記念】スプリンターズS2着の悔しさ晴らした! 坂井瑠星騎手騎乗のマッドクールが頭差でG1初V - スポーツ報知
2024年春のJRA・G1シーズン開幕戦は、18頭で争われ、坂井瑠星騎手が騎乗した単勝6番人気のマッドクール(牡5歳、栗東・池添学厩舎、父ダークエンジェル)が直線インを突くと、ナムラクレアの追撃を頭

マッドクールは通算12戦6勝となり、重賞初制覇が高松宮記念となりました。12戦の内7戦が中京競馬場のレースであり、戦績は[4-0-2-1]。昨年7月のシルクロードS(GIII)9着以外は安定した走りを見せています。また昨年のスプリンターズSは6番人気で2着、今回の高松宮記念は6番人気で1着と、自身の実力に人気が及んでいない時に反発するかのように好走しています。そしてまたマッドクールは自身のボトムラインがしっかりしており、母Mad About YouがグラッドネスS(愛GIII)の勝ち馬、祖母Irresistible JewelがリブルズデイルS(英GII)、ブランドフォードS(愛GIII)の勝ち馬、高祖母AptostarがエイコーンS(米GI)、ベッドオーロージズH(米GII)、ヴェイグランシーH(米GIII)の勝ち馬と、母系4代の母の内3頭がGレース勝ち馬という良血馬です。マッドクール、名繁殖系であり非サンデーサイレンス(1986.3.25)の血。気の早い話ですが、種牡馬入りしたら重宝されそうです。

レース後の勝利騎手インタビューで坂井騎手がまだ緩さを残している段階でGIも勝てましたし、まだまだ伸び代がある馬だと思いますと述べられたマッドクール。さらなる活躍を期待したくなる芦毛のスプリンター、その未来に期待しています。

 

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

コメント

タイトルとURLをコピーしました