クイーンズウォーク(2021.3.14)&ジャスティンミラノ(2021.4.9)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.24)-

クイーンズウォーク 牝 黒鹿毛 2021.3.14生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)サンデーレーシング 栗東・中内田 充正厩舎

クイーンズウォーク(2021.3.14)の4代血統表
キズナ
青鹿毛 2010.3.5
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
キャットクイル
鹿毛 1990.5.22
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Pacific Princess
鹿毛 1973.5.10
Damascus 1964.4.14
Fiji 1960
ウェイヴェルアベニュー
鹿毛 2011.3.9
Harlington
黒鹿毛 2002.2.19
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
Fappiano 1977.5.19
Gana Facil 1981.2.9
Serena’s Song
鹿毛 1992.4.4
Rahy 1985.2.18
Imagining 1983.4.5
Lucas Street
栗毛 2004.3.3
Silver Deputy
鹿毛 1985.2.25
Deputy Minister 1979.5.17
Silver Valley 1979.3.30
Ruby Park
栗毛 1997.4.28
Bold Ruckus
黒鹿毛 1976.2.6
Katebyrne
鹿毛 1988.3.12

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector5×5(母方)>

クイーンズウォーク(2021.3.14)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
キズナ
(サンデーサイレンス系)
Harlington
(Mr. Prospector系)
Silver Deputy
(Deputy Minister系)
Bold Ruckus
(Bold Ruler系)
牝系 母の何番仔?
半兄グレナディアガーズ
(No. 10-a)
4番仔
(4連産目)

*

2024年の第59回デイリー杯クイーンC(GIII。東京芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 13 クイーンズウォーク 牝3 55 川田 将雅 1:33.1 11-11 33.4 516
[-4]
中内田 充正 1
2 3 アルセナール 牝3 55 C.ルメール 1:33.2 クビ 5-5 34.0 452
[+2]
木村 哲也 3
3 8 ルージュスエルテ 牝3 55 横山 和生 1:33.4 1 1/4 13-12 33.5 470
[+2]
国枝 栄 4
4 1 サクセスカラー 牝3 55 田辺 裕信 1:33.5 1 2-2 34.6 470
[-2]
久保田 貴士 6
5 6 モリノレッドスター 牝3 55 横山 武史 1:33.6 1/2 1-1 34.9 466
[+6]
鈴木 伸尋 9
2024年の第59回デイリー杯クイーンC(GIII。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.2 – 11.6 – 11.7 – 11.6 – 11.1 – 11.6 – 11.7
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.8 – 35.4 – 47.1 – 58.7 – 1:09.8 – 1:21.4 – 1:33.1
上り 4F 46.0 – 3F 34.4

東京芝1600m、晴の良馬場、13頭立て。紛れのない府中のマイル戦で行われる3歳牝馬のGIII。

◯ デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)
本競走は、1966 年に創設された 3 歳牝馬限定の重賞競走。創設時は 1800mで実施されていたが、1971 年からは『桜花賞』と同距離の 1600mで実施されている。
デイリースポーツは、神戸市に本社を置く新聞社。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている。

2024年度第1回東京競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬を見てみても、ダイワエルシエーロ(2001.5.11)、コイウタ(2003.2.24)、リトルアマポーラ(2005.1.24)、ホエールキャプチャ(2008.2.24)、ヴィルシーナ(2009.3.5)、メジャーエンブレム(2013.3.26)、クロノジェネシス(2016.3.6)、アカイトリノムスメ(2018.4.16)と後にGIレースを勝つ馬たちの姿があります。まま、メジャーエンブレムは既に阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を制していましたが^^;

そんなクイーンCの2024年の一戦を制したのはグレナディアガーズ(2018.2.4)の半妹クイーンズウォーク。クイーンCの勝ち馬に相応しくクイーンを馬名にいただいたクイーンズウォーク、1000m通過58秒7という淀みない流れの道中は後方3番手。向こう正面、ケヤキ(本当はエノキ)を通り過ぎたあたりから促し始めた鞍上の川田将雅騎手、東京芝Dコースの直線525.9mでは大外から2頭目に進路を取ったクイーンズウォークは鋭脚を発揮。大柄な黒鹿毛の流星が飛ぶようにして伸びると、前が開くのに若干時間を要したように見えた内のアルセナール(2021.3.30)-ナミュール(2019.3.2)の半妹-が最後に迫りましたけれど、クビ差凌いだところが決勝点。クイーンズウォーク、前走2023年12月の阪神芝1800mの未勝利戦に続いての連勝で重賞勝ちを収めると共に、2024年の牝馬クラシック戦線の有力馬に名乗り出ました。

キズナ産駒かつグラマラスな黒い馬体の流星馬で府中芝マイル戦の重賞勝ち馬と言いましたら、同じ(有)サンデーレーシングの勝負服で活躍したソングライン(2018.3.4)を思い起こします。思えば2021年のNHKマイルカップ(GI)はシュネルマイスター(2018.3.23)、ソングライン、グレナディアガーズという同じ勝負服のワンツースリーフィニッシュでした。ともあれ、クイーンズウォークに関してはデビュー2戦が芝1800mでしたし、川田騎手の

「“先につなげる”という思いでの、この競馬です」

【デイリー杯クイーンC】クイーンズウォーク ごぼう抜きV 川田連覇達成で通算2000勝リーチ/うま屋/デイリースポーツ online

というコメントを思えば、距離が伸びた舞台も見据えられているのではないでしょうか。キズナ産駒初のクラシック制覇も期待したいクイーンズウォーク、その馬名意味は「ロンドンのランベスブリッジとタワーブリッジ間の遊歩道」ということですが、Sunday Thoroughbred Club サンデーサラブレッドクラブのクイーンズウォークの情報によりますと、更に「母名より連想」とありました。なるほど、母ウェイヴェルアベニュー(Wavell Avenue)もイングランドの地名なのですね。

*

ジャスティンミラノ 牡 鹿毛 2021.4.9生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・三木 正浩氏 栗東・友道 康夫厩舎

ジャスティンミラノ(2021.4.9)の4代血統表
キズナ
青鹿毛 2010.3.5
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
キャットクイル
鹿毛 1990.5.22
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Pacific Princess
鹿毛 1973.5.10
Damascus 1964.4.14
Fiji 1960
マーゴットディド
鹿毛 2008.3.17
Exceed And Excel
鹿毛 2000.9.5【6.5】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Patrona
栗毛 1994.3.24
Lomond 1980.2.3
Gladiolus 1974.4.16
Special Dancer
鹿毛 1997.4.27
Shareef Dancer
鹿毛 1980.3.3
Northern Dancer 1961.5.27
Sweet Alliance 1974.5.14
Caraniya
黒鹿毛 1986.3.25
Darshaan
黒鹿毛 1981.4.18
Callianire
黒鹿毛 1974.3.12

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5×5>

ジャスティンミラノ(2021.4.9)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
キズナ
(サンデーサイレンス系)
Exceed And Excel
(デインヒル系)
Shareef Dancer
(Northern Dancer系)
Darshaan
(Mill Reef系)
牝系 母の何番仔?
母が英GI勝ち馬
(No. 13-c)
5番仔?
(不受胎後)

*

2024年の第58回共同通信杯(GIII。東京芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ジャスティンミラノ 牡3 57 戸崎 圭太 1:48.0 5-2-2 32.6 502
[+2]
友道 康夫 4
2 9 ジャンタルマンタル 牡3 57 川田 将雅 1:48.2 1 1/2 3-5-4 32.6 492
[+2]
高野 友和 1
3 7 パワーホール 牡3 57 田辺 裕信 1:48.4 1 1-1-1 33.5 470
[-8]
昆 貢 9
4 2 ディマイザキッド 牡3 57 R.キング 1:48.7 1 3/4 7-9-9 32.5 446
[0]
清水 英克 8
5 6 エコロヴァルツ 牡3 57 武 豊 1:48.7 アタマ 2-3-4 33.1 496
[+4]
牧浦 充徳 3
2024年の第58回共同通信杯(GIII。東京芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8 – 12.2 – 12.3 – 12.7 – 12.7 – 12.2 – 11.4 – 10.9 – 10.8
ラップの
累計タイム
12.8 – 25.0 – 37.3 – 50.0 – 1:02.7 – 1:14.9 – 1:26.3 – 1:37.2 – 1:48.0
上り 4F 45.3 – 3F 33.1

東京芝1800m、曇の良馬場、10頭立て。「府中千八展開要らず」の舞台で行われる3歳GIII。

◯ 共同通信杯(GⅢ)(トキノミノル記念)
本競走は、1967 年に創設された『東京 4 歳ステークス』を前身とする重賞競走。1983 年に『共同通信杯 4 歳ステークス』へ改称し、2001 年の馬齢表記の変更に伴い、現在の名称となった。
なお、1969 年からは、副題として「トキノミノル記念」が付されている。トキノミノル号は、1951 年の『皐月賞』、『東京優駿(日本ダービー)』の優勝馬で、戦績は 10 戦全勝。その戦績を称え、1984 年に顕彰馬に選出された。
共同通信社は、東京都港区に本社を置く通信社。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている。

2024年度第1回東京競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬を確認しても、ジャングルポケット(1998.5.7)、アドマイヤムーン(2003.2.23)、ゴールドシップ(2009.3.6)、イスラボニータ(2011.5.21)、リアルスティール(2012.3.1)、ディーマジェスティ(2013.3.24)、スワーヴリチャード(2014.3.10)、ダノンキングリー(2016.3.25)、エフフォーリア(2018.3.10)という豪華メンバーの名前が見えます。

そんな「名馬の登竜門」とも言うべき共同通信杯の2024年の一戦を制したのは、上述のクイーンCを制したクイーンズウォークに続いて2日連続でキズナ産駒、戦前4番人気だったジャスティンミラノ。2023年11月の東京芝2000mの新馬戦を番手先行で勝ち上がってやって来たジャスティンミラノ、2戦目となった共同通信杯でも逃げたパワーホール(2021.3.17)が作り出した入りの600m37秒3、1000m通過1分2秒7というスローペースを番手先行。最初の200mから400mあたりで内にいたジャンタルマンタル(2021.3.21)、エコロヴァルツ(2021.2.14)が掛かり加減になったところを、スーッと外から進出してじっと我慢し、そのまま折り合いを付けられたのがジャスティンミラノの操縦性の高さなのでしょう。

ジャンタルマンタル(2021.3.21)-第75回朝日杯フューチュリティS(GI)の勝ち馬-
ジャンタルマンタル(2021.3.21)-第75回朝日杯フューチュリティS(GI)の勝ち馬-
エコロヴァルツ(2021.2.14)&コスモディナー(2021.3.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.5)-
エコロヴァルツ(2021.2.14)&コスモディナー(2021.3.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.5)-

そうして迎えた東京芝Dコースの直線525.9mでは逃げ馬が粘るところを虎視眈々、最後の200mを切ったあたりで鞍上の戸崎圭太騎手が右ムチを2回振るうと加速。外から2歳王者の威厳を以てジャンタルマンタルが迫りましたが、最後は悠々と抜け出して1馬身半差を着けたところが決勝点。ジャスティンミラノ、朝日杯フューチュリティS(GI)の1着馬、2着馬が揃ったこの一戦を「楽勝」とばかりに制して見せ、クラシックへの勝ち鬨をあげました。しっかし、いかに前半が緩い流れだったとはいえ、上がり3ハロンを見ればジャスティンミラノとジャンタルマンタルは32秒6、4着のディマイザキッド(2021.2.21)は32秒5というのは、チェンジオブペースにも程があるように見えますね^^;

ジャスティンミラノは「父キズナ✕母Exceed And Excel牝馬」ということで、この組み合わせにはエルフィンS(L)を制したライトバック(2021.1.14)もいます。数はまだ少ないですが、これから注目のニックになるかも知れない、というところでしょうか。

ロジリオン(2021.3.6)&ライトバック(2021.1.14)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.22)-
ロジリオン(2021.3.6)&ライトバック(2021.1.14)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.22)-

またジャスティンミラノは母マーゴットディドが不受胎後の仔です。「空胎後に名馬あり」は、いつの世も変わらぬ馬産真理の1つと思います。共同通信杯終了時点ではありますが、2021年生まれ世代における牡馬たちを確認してみますと、

  1. ジャンタルマンタル(2021.3.21)
    →母の初仔。朝日杯フューチュリティS(GI)1着、デイリー杯2歳S(GII)1着
  2. シュトラウス(2021.1.24)
    →母が不受胎後の10番仔。東京スポーツ杯2歳S(GII)1着
  3. イーグルノワール(2021.2.17)
    →母が不受胎後の2番仔。兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)1着
  4. ビザンチンドリーム(2021.1.28)
    →母が流産後の2番仔。きさらぎ賞(GIII)1着
  5. ジャスティンミラノ(2021.4.9)
    →母が不受胎後の5番仔?。共同通信杯(GIII)1着。本稿の主役
  6. ダノンエアズロック(2021.2.26)
    →母が不受胎後の7番仔。アイビーS(L)1着
  7. エコロヴァルツ(2021.2.14)
    →母が不受胎後の7番仔。コスモス賞(OP)1着
  8. オーキッドロマンス(2021.4.1)
    →母が流産後の5番仔。カンナS(OP)1着
  9. アマンテビアンコ(2021.1.25)
    →母が不受胎後の7番仔。カトレアS(OP)1着
  10. ウォーターリヒト(2021.3.24)
    →母の初仔。きさらぎ賞(GIII)2着

等が母が前年産駒なし後の仔です。それぞれの路線で中核を担いそうなメンバーが揃っているように見えますけれど、しのぎを削る厳しい勝負を分けるのは、もしかしたら、お母さんからの後押しなのかも知れません。

ジャスティンミラノ、母マーゴットディドが英国伝来のスプリントGIであるナンソープS(英GI)の勝ち馬だけに距離がどうかと思うところもありましたけれど、日本の競馬ですし、14年連続JRA重賞制覇のトップステーブルである友道康夫厩舎ですから「抜かりなし」ですね。そうでなければ東京芝2000mの新馬戦から東京芝1800mの共同通信杯をぶっこ抜けません。キズナ産駒初の牡馬クラシック制覇も期待したいジャスティンミラノ、その馬名意味は「冠名+イタリアの地名」とのこと。

 

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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