ミアネーロ(2021.2.16)&シックスペンス(2021.4.17)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.31)-

ミアネーロ 牝 鹿毛 2021.2.16生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)シルクレーシング 美浦・林 徹厩舎

ミアネーロ(2021.2.16)の4代血統表
ドゥラメンテ
鹿毛 2012.3.22
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
アドマイヤグルーヴ
鹿毛 2000.4.30
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
エアグルーヴ
鹿毛 1993.4.6
トニービン 1983.4.7
ダイナカール 1980.5.10
ミスエーニョ
黒鹿毛 2007.3.14
Pulpit
鹿毛 1994.2.15
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew 1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Preach
鹿毛 1989.3.26
Mr. Prospector 1970.1.28
Narrate 1980.4.6
Madcap Escapade
鹿毛 2001.5.13
ヘネシー
栗毛 1993.3.25
Storm Cat 1983.2.27
Island Kitty 1976.2.23
Sassy Pants
鹿毛 1992.3.17
Saratoga Six
鹿毛 1982.4.13
Special Portion
鹿毛 1985.3.19

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×4>

ミアネーロ(2021.2.16)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
ドゥラメンテ
(Mr. Prospector系)
Pulpit
(A.P. Indy系)
ヘネシー
(Storm Cat系)
Saratoga Six
(Raise a Native系)
牝系 母の何番仔?
母と祖母が米GI馬
(No. 23-b)
8番仔
(不受胎後)

*

2024年の第38回フラワーC(GIII。中山芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 5 ミアネーロ 牝3 55 津村 明秀 1:48.0 7-7-7-6 35.4 472
[-6]
林 徹 2
2 9 ホーエリート 牝3 55 原 優介 1:48.1 3/4 7-8-7-6 35.6 460
[-8]
田島 俊明 8
3 2 カンティアーモ 牝3 55 C.ルメール 1:48.2 クビ 10-9-10-9 35.3 496
[+14]
木村 哲也 1
4 10 ラビットアイ 牝3 55 横山 典弘 1:48.2 クビ 10-11-11-11 35.0 474
[-2]
鈴木 孝志 4
5 8 エルフストラック 牝3 55 石川 裕紀人 1:48.2 ハナ 1-1-1-1 36.2 474
[-4]
中村 直也 9
2024年の第38回フラワーC(GIII。中山芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5 – 11.5 – 12.1 – 12.1 – 11.8 – 12.0 – 12.0 – 12.0 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.5 – 24.0 – 36.1 – 48.2 – 1:00.0 – 1:12.0 – 1:24.0 – 1:36.0 – 1:48.0
上り 4F 48.0 – 3F 36.0

中山芝1800m、晴の良馬場、12頭立て。百花繚乱、3歳乙女たちによるクラシック挑戦権を賭けた重賞。

○ フラワーカップ(GⅢ)
本競走は、1987 年に創設された重賞競走。創設当初より、1800m で実施されている。なお、2001 年には、負担重量が馬齢重量から別定重量に変更され、現在に至る。
フラワー(Flower)は、「花」を意味する英語。

2024年度第2回中山競馬特別レース名解説

2001 年には、負担重量が馬齢重量から別定重量に変更され、現在に至るの記載について、「若干手抜きじゃないですかJRA様」と思いました。と言いますのも、今年2024年より1月から5月に行われる3歳限定のGIII11競走について、別定重量から馬齢重量に変更になっていますので。フラワーCではありませんが、賞金別定では無く馬齢による重量になった結果、他馬より重い負担重量を背負わなくてよくなった実績馬の例も発生しました。

今年から多くのGIIIが馬齢重量に変更 ジャンタルマンタルへの影響とは? | 競馬ニュース - netkeiba
このルール変更に気づいているファンは少ないのではないだろうか。今年から多くの3歳限定GIIIの負担重量が、昨年までの別定から馬齢に変更となっているのだ。 具体的にどう変わったのか説明したい。対象はシ… No.1競馬情報サイト「netkeib...

ともあれフラワーCの21世紀に入ってからの勝ち馬を眺めてみれば、スマイルトゥモロー(1999.4.20)、ダンスインザムード(2001.4.10)、シーザリオ(2002.3.31)、キストゥヘヴン(2003.4.25)、ブラックエンブレム(2005.1.22)、スタニングローズ(2019.1.18)等の姿が。むぅ、21世紀初頭のラインナップが強力に見えますね。なお、自身はGI勝ちには届きませんでしたが、仔にマイネルグロン(2018.6.7)、孫にユーバーレーベン(2018.1.27)を送ったマイネヌーヴェル(2000.3.17)も勝ち馬として名を連ねています。

そんなフラワーCの2024年の一戦を制したのは、戦前2番人気だったミアネーロ。正面スタンド前、5枠5番から五分のスタートを見せたミアネーロと津村明秀騎手、最初のゴール板を過ぎる頃には最内のラチ沿いに潜り込んでいました。入りの600m36秒1、1000m通過60秒フラットの流れの中で淡々と内ラチ沿いを追走。中山芝Bコースの直線310mに向いた時も、ピッタリとインから抜け出して来たミアネーロ。津村騎手が追い出しに掛かると、中山の急坂をしっかりとした脚勢で駆け上りました。決勝点ではコンマ2秒差に5頭がひしめく接戦にはなりましたが、1頭はっきりと先着したミアネーロ。これは津村騎手の透徹した意思が呼び寄せた勝利のようにも見えました。予備知識無しにレースを見ていて「内で我慢している馬がいるな。4コーナーで他馬が外に膨れたところで上手く抜け出して来れたら」と思いましたら、その通りのレースをして、確認してみれば鞍上が津村騎手。フラワーC同日の阪神メインの若葉S(L)は藤岡佑介騎手のミスタージーティー(2021.3.25)が勝利を収めましたが、競馬学校20期の同期生どうしが東西でメインジャックを見せてくれました。という訳でツムラ、おまはんも、もうGIを勝っても良いと思うぞ。まだGIIも勝っていないけれど、一足飛びで勝ってしまいなはれ。

ダノンマッキンリー(2021.4.7)&ミスタージーティー(2021.3.25)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.30)-
ダノンマッキンリー(2021.4.7)&ミスタージーティー(2021.3.25)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.30)-

どうも津村騎手が重賞を勝つと鞍上に対して掛かり気味になるのですが、ミアネーロ、総合力の高さを感じさせてくれたフラワーC勝ちでした。シンプルに良血なんですよね。母ミスエーニョがデビュターントS(米GI)の勝ち馬、祖母Madcap EscapadeがアシュランドS(米GI)の勝ち馬、半姉ミスエルテ(2014.4.7)がファンタジーS(GIII)勝ち馬。そんなミアネーロの馬名意味は「私の憧れ(西)。母名より連想」ということです。

*

シックスペンス 牡 鹿毛 2021.4.17生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・国枝 栄厩舎

シックスペンス(2021.4.17)の4代血統表
キズナ
青鹿毛 2010.3.5
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao 1980.2.28
Burghclere 1977.4.26
キャットクイル
鹿毛 1990.5.22
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Pacific Princess
鹿毛 1973.5.10
Damascus 1964.4.14
Fiji 1960
フィンレイズラッキーチャーム
鹿毛 2013.4.6
Twirling Candy
黒鹿毛 2007.2.19
Candy Ride
鹿毛 1999.9.27
Ride the Rails 1991.3.5
Candy Girl 1990.7.7
House of Danzing
黒鹿毛 2002.2.24
Chester House 1995.2.1
Danzing Crown 1997.4.1
Day of Victory
黒鹿毛 2005.2.2
Victory Gallop
鹿毛 1995.5.30
Cryptoclearance 1984.4.9
Victorious Lil 1989.4.13
Gather the Day
黒鹿毛 1996.4.5
Dayjur
黒鹿毛 1987.2.6
Gather The Clan
栗毛 1985.2.26

<5代血統表内のクロス:Cryptoclearance4×5(母方)、Danzig5×5(母方)>

シックスペンス(2021.4.17)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
キズナ
(サンデーサイレンス系)
Twirling Candy
(Mr. Prospector系)
Victory Gallop
(Mr. Prospector系)
Dayjur
(Danzig系)
牝系 母の何番仔?
母が米GI馬
(No. 17-b)
2番仔
(2連産目)

*

2024年の第73回フジテレビ賞スプリングS(GII。中山芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 4 シックスペンス 牡3 57 C.ルメール 1:49.4 3-3-3-3 33.3 492
[-4]
国枝 栄 1
2 7 アレグロブリランテ 牡3 57 横山 和生 1:50.0 3 1/2 1-1-1-1 34.3 470
[0]
上原 佑紀 9
3 2 ルカランフィースト 牡3 57 横山 武史 1:50.1 1 4-4-4-4 33.9 462
[+2]
鹿戸 雄一 4
4 5 チャンネルトンネル 牡3 57 松岡 正海 1:50.1 ハナ 5-4-4-4 33.8 480
[0]
堀内 岳志 6
4 9 コスモブッドレア 牡3 57 石川 裕紀人 1:50.1 同着 2-2-2-2 34.2 480
[-2]
小野 次郎 7
2024年の第73回フジテレビ賞スプリングS(GII。中山芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.7 – 12.2 – 12.6 – 12.7 – 12.9 – 12.6 – 12.0 – 10.9 – 10.8
ラップの
累計タイム
12.7 – 24.9 – 37.5 – 50.2 – 1:03.1 – 1:15.7 – 1:27.7 – 1:38.6 – 1:49.4
上り 4F 46.3 – 3F 33.7

中山芝1800m、晴の良馬場、10頭立て。スプリングSのレース名を聞くと、皐月賞(GI)まで待ったなし感が出て来ます。

○ フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)(皐月賞トライアル)
本競走は、1952 年に創設された 3 歳馬の重賞競走。創設当初の負担重量は別定重量であったが、現在は馬齢重量で実施されている。なお、第 3 着までの馬には『皐月賞』への優先出走権が与えられる。
スプリング(Spring)は、「春」を意味する英語。
フジテレビは、東京都港区台場に本社を置く放送局。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている

2024年度第2回中山競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬を眺めてみれば伯国の大種牡馬となったアグネスゴールド(1998.4.10)に始まり、タニノギムレット(1999.5.4)、ネオユニヴァース(2000.5.21)、一子相伝のブラックタイド(2001.3.29)、メイショウサムソン(2003.3.7)、アンライバルド(2006.4.13)、オルフェーヴル(2008.5.14)、ロゴタイプ(2010.3.10)、父仔制覇のキタサンブラック(2012.3.10)、ウインブライト(2014.5.12)、ステルヴィオ(2015.1.15)等の姿が。並ぶ名前を見れば「サスガに伝統のGII」と思わせるメンバーです。

という訳でスプリングSの2024年の一戦を制したのは、戦前1番人気だったシックスペンス。逃げたブービー人気のアレグロブリランテ(2021.3.22)が作り出したペースは入りの600m37秒5、1000m通過が1分3秒1というどスロー。ペースが落ち着いた理由として向こう正面の風のキツさを、レース後のクリストフ・ルメール騎手が述べられていました。私は某一級河川の河川敷や堤防をランニングすることが多いのですけれど、向かい風は本当に大変。前に進まないですから^^;。ただバックストレッチがヘッドウィンドであれば、ホームストレッチはテイルウィンドになるのがレーストラック。先行3番手から進んでいたシックスペンス、3角から4角で促しながら差を詰めに掛かり、中山芝Bコースの直線310mに入るとエンジン全開。追い風も味方に付けたシックスペンス、鹿毛のシャドーロールがルメール騎手に追われると、羽根が生えたかのように飛ぶような走りを見せて、後続との差を着けました。シックスペンスが加速して刻んだラスト400mは10秒9、10秒8という鋭さ。終わってみれば逃げ粘ったアレグロブリランテに3馬身半差の圧勝劇。シックスペンス、2023年9月の中山芝1600mの新馬戦、12月の中山芝1600mのひいらぎ賞、そして2024年の初戦となったスプリングSと3戦3勝。無敗でクラシックに挑みます。

シックスペンスの父はキズナ。本稿をアップした2024年03月20日(水)時点の、2024年の年度別サイアー|ランキング|JBISサーチ(JBIS-Search)では堂々の1位。通算のアーニング・インデックスも「2.06」と、現代の名種牡馬の一角として活躍しています。そんなキズナ、シックスペンスを始めとする2021年生まれ世代はGIを狙う駿馬たちが揃っています。

クイーンズウォーク(2021.3.14)&ジャスティンミラノ(2021.4.9)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.24)-
クイーンズウォーク(2021.3.14)&ジャスティンミラノ(2021.4.9)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.24)-
ロジリオン(2021.3.6)&ライトバック(2021.1.14)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.22)-
ロジリオン(2021.3.6)&ライトバック(2021.1.14)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.22)-

クイーンC(GIII)を制したクイーンズウォーク(2021.3.14)、共同通信杯(GIII)を制したジャスティンミラノ(2021.4.9)、エルフィンS(L)を制したライトバック(2021.1.14)もキズナ産駒。キズナの仔は初年度産駒のアカイイト(2017.4.17)、2年度産駒のソングライン(2018.3.4)がJRA・GIを制していますけれど、5年度産駒であるシックスペンスたちが「JRAクラシック初勝利」を父に贈ることが出来ますでしょうか。

シックスペンス、その馬名意味は「イギリス旧硬貨の名。幸運をもたらすお守り。母名より連想」とのこと。母フィンレイズラッキーチャームはマディソンS(米GI)の勝ち馬であり、Finley’sluckycharmという馬名からのシンプルな連想ですね。シックスペンス、1000勝トレーナー・国枝栄調教師に「牡馬クラシック初優勝」をプレゼントしてくれますでしょうか。楽しみにしたいと思います。

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

#古い競馬ファンですので、スプリングSの3馬身半差の勝利と言いますとナリタブライアン(1991.5.3)を思い出すのですが、シックスペンス同様に白いシャドーロールを着けた黒鹿毛の疾走も30年前。そうして思えば、ナリタブライアンはシックスペンスの父キズナの従兄。時は流れ、血は巡り、馬は駆け、人は賭け続けます。

ナリタブライアン(1991.5.3)-JRA賞年度代表馬(No.8)-
ナリタブライアン(1991.5.3)-JRA賞年度代表馬(No.8)-

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