Soul Sister(ソウルシスター。2020.1.25)-第245回英オークス(GI)の勝ち馬+α

Soul Sister(ソウルシスター) 牝 鹿毛 2020.1.25生 愛国・Lady Bamford生産 馬主・Lady Bamford 英国・John & Thady Gosden厩舎

Soul Sister(2020.1.25)の4代血統表
Frankel
鹿毛 2008.2.11
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Kind
鹿毛 2001.4.21
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Rainbow Lake
鹿毛 1990.4.10
Rainbow Quest 1981.5.15
Rockfest 1979.3.12
Dream Peace
鹿毛 2008.4.22
Dansili
黒鹿毛 1996.1.27
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Hasili
鹿毛 1991.3.12
Kahyasi 1985.4.2
Kerali 1984.3.4
Truly a Dream
黒鹿毛 1991.3.8
Darshaan
黒鹿毛 1981.4.18
Shirley Heights 1975.3.1
Delsy 1972.3.20
Truly Special
鹿毛 1985.3.22
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
Arctique Royale
鹿毛 1978.4.22

<5代血統表内のクロス:デインヒル3×3、Northern Dancer4×5×5>

Soul Sister(2020.1.25)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
Frankel
(Galileo系)
Dansili
(デインヒル系)
Darshaan
(Mill Reef系)
Caerleon
(Nijinsky系)
牝系 母の何番仔?
母仔6代連続G級レース勝ち馬
(No. 23)
5番仔?
(5連産目?)

*

2023年の第245回英オークス(GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 11 Soul Sister 牝3 58.1 Frankie Dettori 2:36.41 John & Thady Gosden 2
2 9 Savethelastdance 牝3 58.1 Ryan Moore 1 3/4 A P O’Brien 1
3 3 Caernarfon 牝3 58.1 Connor Beasley アタマ Jack Channon 5
4 6 Maman Joon 牝3 58.1 Kevin Stott 8 1/2 Richard Hannon 7
5 2 Bright Diamond 牝3 58.1 Clifford Lee 1 3/4 K R Burke 7
​英オークス、最後の挑戦だったデットーリ騎乗のソウルシスターが制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
現地2日、英エプソム競馬場でG1英オークス(3歳牝馬、芝12ハロン)が行われ、今年限りでの引退を表明しているL.デットーリ騎乗のソウルシスターが快勝した。 前売り3番人気に推されていたランニングライ

今年2023年限りで騎手引退を表明されているランフランコ・デットーリ騎手。むぅ、本当に辞められるのでしょうか^^;。今年の12月15日で53歳を迎えられるフランキー、その手腕、冴えに冴え渡っていて衰えを微塵も感じさせません。という訳で、英2000ギニー(GI)のChaldean(2020.5.10)に続く英国クラシック制覇、英オークスにおいてSoul Sisterで果たされました。

JRAでダート重賞3勝を挙げたワイルドブラスター(1992.4.13)の母ダーリングミスキュー(1981.1.18)を高祖母に持つ同牝系馬Savethelastdance(2020.3.2)が、日本風に言うと単勝1.83倍の1番人気に推された一戦でしたが、それに続く単勝3.75倍の2番人気だったSoul Sister。9頭立てを道中後方待機からタッテナムコーナーを大外で回ると、鹿毛に星1つ、緋色の帽子に緋色の勝負服が際立った末脚を見せ、内で競り合うSavethelastdanceとCaernarfon(2020.4.11)を尻目に抜け出し、エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードのゴール地点では1と4分の3馬身差を着けていました。

Soul Sister、2023年の初戦となった4月のフレッドダーリンS(英GIII)こそ6ヶ月ぶりの久々かつ重馬場と7ハロンという距離不足に泣いたのか12着だったものの、5月のムシドラS(英GIII)では良馬場の10ハロン56ヤードで一変の4馬身差勝ちを見せて、中1週で挑んだのが英オークス。良馬場のクラシックディスタンスで本領を発揮したというところでした。

そうして鞍上のデットーリ騎手はBalanchine(1991.4.16)、Moonshell(1992.2.20)、Kazzia(1999.4.12)、Enable(2014.2.12)、Anapurna(2016.3.31)、Snowfall(2018.2.9)に続いてSoul Sisterで英オークス7勝目(!!)。確認してみれば、かのEnable以降は隔年で英オークスを勝利されています。「そりゃ、英オークスでフランキーの名前や姿をよく見るはず」と思いました。古いところではデットーリ騎手の英オークス初勝利となったBalanchineが印象に残っています。競馬者の歩みの最初期に出会ったBalanchine、ウインドインハーヘア(1991.2.20)を2着に下した英オークスに続いて、King’s Theatre(1991.5.1)以下を切って捨てて愛ダービー(GI)も制した名牝。Balanchineは今をときめくゴドルフィンに初めてのGI勝利をもたらしたことでも知られており、バランシーン(UAE・GII)という彼女の名前を冠にしたグループレースも行われています。そんなBalanchineの英オークスも29年前と思うと、時は流れました。

閑話休題。Soul Sisterのボトムラインに目を転じると、↑の総括でも記しましたように「母仔6代連続G級レース勝ち馬」という離れ業を演じている23号族。5代母Arctic Melody(1962)からSoul Sisterまでの6頭を示してみますと、

Arctic Melody 1962 3勝 ムシドラS アサシSほか
|Arctique Royale 1978.4.22 3勝 愛1000ギニー(GI) モイグレアスタッドS(愛GII)ほか
||Truly Special 1985.3.22 2勝 ロワイヨモン賞(仏GIII)ほか
|||Truly a Dream 1991.3.8 3勝 E.P.テイラーS(加GII) ロワイヨモン賞(仏GIII)ほか
||||Dream Peace 2008.4.22 4勝 ノネット賞(仏GII)ほか
|||||Soul Sister 2020.1.25 (本馬) 英オークス(GI) ムシドラS(英GIII)

お見事、としか言いようがないですねm(_ _)m。ピッカピカの良血馬Soul Sister、母系に流れるDNAの確かさを見せ付けた英オークス勝ちでした。

*

手数を増やしてしまうのは私の悪癖なのですが、今年の英オークス同日、同コース同距離で行われたコロネーションC(英GI)を、やはりデットーリ騎手で制した、Soul Sisterのステーブルメイトでもある先輩の4代血統表も併せてご案内しておきます。

Emily Upjohn(エミリーアップジョン) 牝 鹿毛 2019.3.8生 英国・Lordship Stud & Sunderland Holding Inc生産 馬主・Lloyd Webber, Tactful Finance, S Roden 英国・John & Thady Gosden厩舎

Emily Upjohn(2019.3.8)の4代血統表
Sea The Stars
鹿毛 2006.4.6
Cape Cross
黒鹿毛 1994.3.13
Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig 1977.2.12
Foreign Courier 1979.4.11
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora 1975.4.12
Balidaress 1973.4.22
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki
栗毛 1978.2.22
Mr. Prospector 1970.1.28
Hopespringseternal 1971.5.27
Allegretta
栗毛 1978.3.10
Lombard 1967.1.31
Anatevka 1969.2.13
Hidden Brief
鹿毛 2006.3.27
Barathea
鹿毛 1990.3.2
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Brocade
鹿毛 1981.5.31
Habitat 1966.5.4
Canton Silk 1970
Hazaradjat
鹿毛 1989.5.10
Darshaan
黒鹿毛 1981.4.18
Shirley Heights 1975.3.1
Delsy 1972.3.20
Hazy Idea
鹿毛 1967
Hethersett
鹿毛 1959
Wont Linger
栗毛 1961

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>

Emily Upjohn(2019.3.8)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
Sea The Stars
(Danzig系)
Barathea
(Sadler’s Wells系)
Darshaan
(Mill Reef系)
Hethersett
(Djebel系)
牝系 母の何番仔?
従兄Harzand
(No. 21-a)
6番仔?

*

2023年の第118回コロネーションC(英GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Emily Upjohn 牝4 56.7 Frankie Dettori 2:33.78 John & Thady Gosden 2
2 4 Westover 牡4 58.1 Rob Hornby 1 3/4 Ralph Beckett 1
3 2 Point Lonsdale 牡4 58.1 Ryan Moore 7 1/2 A P O’Brien 3
4 3 Tunnes 牡4 58.1 Rene Piechulek 5 P Schiergen 5
5 1 Hurricane Lane 牡5 58.1 William Buick アタマ Charlie Appleby 4
英G1コロネーションC、紅一点のエミリーアップジョンが強豪牡馬を一蹴 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
現地2日、英エプソム競馬場でG1コロネーションカップ(芝12ハロン)が行われ、L.デットーリ騎乗の紅一点、エミリーアップジョンが快勝した。  5頭立ての小頭数ながら4頭がG1馬で、残る1頭もG1連

コロネーションCは英オークスの2レース前に行われたのですが、なんだか英オークスの「予行演習」のようにも見えました(苦笑)。5頭立てでも内4頭がGI馬という濃いメンツ。その中でも紅一点のEmily Upjohn、道中最後方からタッテナムコーナーを大外で回ると、鹿毛に黒の頭巾、桃色の帽子に桃色の勝負服が際立った末脚を見せ、1番人気だった昨年の愛ダービー馬Westover(2019.4.24)を薙ぎ払うように抜け出し、エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードのゴール地点では1と4分の3馬身差を着けていました。…って、↑のSoul Sisterの文章を流用していますね^^;

コロネーションCはエプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードという厳しい舞台ですので、近年は牝馬が勝ち馬に名を連ねることは無かったのですが、確認してみれば1991年のIn the Groove(1987.2.25)以来32年ぶりの勝利でした。Emily Upjohnにとっては昨年の英オークスで「短アタマ」差敗れた悔しさを少しでも晴らせたでしょうか。そしてまた改めてEmily Upjohnの牝系を見れば、従兄Harzand(2013.3.6)ですから「この舞台得意」というところでしょうか。Harzandは2016年の英ダービーと愛ダービーを制した名馬で、Emily Upjohnと同じく父Sea The Starsであり、いわゆる「4分の3同血」となります。なお、今回のコロネーションCで5着だったHurricane Lane(2018.3.11)は、Emily Upjohnの祖母Hazaradjatを高祖母に持っていますので、こちらも同牝系馬ですね。

という訳で、ジョン&タディ・ゴスデン厩舎の名牝2頭を紹介する長い記事、お付き合いいただき、誠に有り難うございましたm(_ _)m

 

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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