テンポイント(1973.4.19)-TTGの生誕50年に寄せて(No.2)-

テンポイント 牡 栗毛 1973.4.19生~1978.3.5没 早来・吉田牧場生産 馬主・高田久成氏 栗東・小川佐助厩舎

テンポイント(1973.4.19)の4代血統表
コントライト
鹿毛 1968.2.18
Never Say Die
栗毛 1951.3.26
Nasrullah
鹿毛 1940.3.2
Nearco 1935.1.24
Mumtaz Begum 1932
Singing Grass
栗毛 1944
War Admiral 1934.5.2
Boreale 1938
Penitence
黒鹿毛 1961
Petition
黒鹿毛 1944
Fair Trial 1932
Art Paper 1933
Bootless
鹿毛 1951
The Cobbler 1945
Careless Nora 1945
ワカクモ
鹿毛 1963.3.12
カバーラツプ二世
黒鹿毛 1952.3.9
Cover Up
栗毛 1943
Alibhai 1938
Bel Amour 1937
Betty Martin
鹿毛 1948
Hollyrood 1933
Rhoda F. 1942
丘高
鹿毛 1948.5.2
セフト
鹿毛 1932
Tetratema 1917
Voleuse 1920
月丘
鹿毛 1932.3.24
Sir Gallahad
鹿毛 1920
星若
青毛 1924

<5代血統表内のクロス:なし>

テンポイント(1973.4.19)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
コントライト
(Never Say Die系)
カバーラツプ二世
(Hyperion系)
セフト
(The Tetrarch系)
Sir Gallahad
(Teddy系)
牝系 母の何番仔?
母が桜花賞馬
(No. 3 星若系)
2番仔
(2連産目)

*

1975年の第27回阪神3歳S(阪神芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 斤量 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 6 テンポイント 牡2 54 鹿戸明 1:37.1 小川佐助 1
2 4 ゴールデンタテヤマ 牡2 54 安田伊佐夫 1:38.2 7 栗田勝 3
3 1 ケイシユウフオード 牡2 54 福永洋一 1:38.5 2 日迫清 7
4 7 バンブトンシエード 牡2 54 武邦彦 1:38.7 1 伊藤修司 6
5 5 マルブツシツクス 牡2 54 池添兼雄 1:39.3 3.1/2 大久保正陽 10

*

1977年の第75回天皇賞・春(京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 10 テンポイント 牡4 鹿戸 明 3:21.7 小川 佐助 1
2 8 クラウンピラード 牡4 佐々木 昭次 3:21.8 3/4 田中 康三 12
3 13 ホクトボーイ 牡4 久保 敏文 3:22.0 1 久保 道雄 10
4 2 グリーングラス 牡4 安田 富男 3:22.0 ハナ 中野 隆良 2
5 11 クライムカイザー 牡4 橋口 満朗 3:22.2 1・1/2 佐藤 嘉秋 5

*

1977年の第22回有馬記念(中山芝2500m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 テンポイント 牡4 鹿戸 明 2:35.4 小川 佐助 1
2 1 トウシヨウボーイ 牡4 武 邦彦 2:35.5 3/4 保田 隆芳 2
3 6 グリーングラス 牡4 嶋田 功 2:35.6 1/2 中野 隆良 3
4 5 プレストウコウ 牡3 郷原 洋行 2:36.6 6 加藤 朝治郎 4
5 2 トウフクセダン 牡4 宮田 仁 2:37.2 3・1/2 大久保 末吉 7

*

「流星の貴公子」テンポイント。栗毛の流星、神々しさを覚える美しさ。もしかしたら、日本でもっとも愛され続けているサラブレッドなのかもしれません。言葉はいらないでしょう。↑で引いた1977年の有馬記念。日本の競馬史上における最高の名勝負と目される一戦。最初から最後までテンポイントとトウショウボーイ(1973.4.15)の先頭争い。そして最後にグリーングラス(1973.4.5)も加わって、TTG3頭が傑出した存在であることを見せ付けたのでした。

トウシヨウボーイ(1973.4.15)-TTGの生誕50年に寄せて(No.1)-
トウシヨウボーイ(1973.4.15)-TTGの生誕50年に寄せて(No.1)-

テンポイントと言いましたら、やはり、

いわゆる「杉本節」が思い起こされる訳です。ただ、杉本清アナウンサーはテンポイントのことを「貴公子」と呼ばれたことは無いそうです。「貴公子」と言えばタイテエム(1969.4.14)であり、テンポイントは言わば「アイドル」であった、と。

そんなアイドルの出自が仄暗いものであったことはよくよく知られています。祖母クモワカは11勝を挙げて桜花賞でツキカワ(1948.4.4)の2着、菊花賞でトラツクオー(1948.4.28)の4着という活躍馬でしたが、馬伝染性貧血(伝貧)と診断されて殺処分となるところを逃れ、最終的には命をつないで、北海道は早来の吉田牧場で繁殖名「丘高」として供されました。その丘高の5番仔ワカクモはやはり母と同じく11勝を挙げて、母の無念を晴らして桜花賞馬となったのでした。そうしてワカクモが繁殖入りした後、2番仔として送り出したのが、見目麗しい栗毛の流星テンポイント。

丘高 1948.5.2 11勝 桜花賞2着ほか
|ワカクモ 1963.3.12 11勝 桜花賞 小倉記念ほか
||オキワカ 1972.3.27 6勝 中京記念3着
|||ワカテンザン 1979.4.13 3勝 きさらぎ賞 東京優駿2着 皐月賞2着ほか
|||ワカオライデン 1981.4.25 13勝 朝日チャレンジC(GIII)ほか
|||ワカスズラン 1982.4.20 0勝
||||フジヤマケンザン 1988.4.17 12勝 香港国際カップ(GII) 金鯱賞(GII) 中山記念(GII) 七夕賞(GIII) 中日新聞杯(GIII)ほか
||テンポイント 1973.4.19 (本馬) 11勝 有馬記念 天皇賞・春 阪神3歳S 京都大賞典 鳴尾記念 京都記念・春 スプリングS 東京4歳Sほか
||キングスポイント 1977.5.1 15勝 中山大障害2回 阪神障害S3回ほか
||イチワカ 1978.5.11 0勝
|||ダスシエーネ 1985.4.18 0勝
||||ホリワカ 1993.4.27 2勝
|||||ハルワカ 2003.3.12 2勝
||||||ハルサンサン 2008.5.2 5勝 TCK女王盃(JpnIII)ほか
|||キオイドリーム 1986.4.11 6勝 キャピタルS(OP) 札幌日刊スポーツ杯(OP)
|オカクモ 1965 4勝 毎日杯2着 阪神牝馬特別2着
||ベゴニヤ 1972.4.13 2勝
|||ダイアナソロン 1981.3.18 5勝 桜花賞(GI) サファイヤS(GIII)ほか

クモワカ=丘高の繁殖能力の確かさは仔ワカクモ、孫テンポイント、キングスポイント、曾孫ダイアナソロン、ワカテンザン、ワカオライデン、玄孫フジヤマケンザン等によって証明されたのでした。また、21世紀の重賞勝ち馬として名前が挙がる昆孫ハルサンサンは、母父がワカオライデンのため、ワカクモ4×5という牝馬クロスを持っています。

また、↑の牝系図では名前を挙げていませんが、ダイアナソロンの仔クエストフォベスト(1990.2.12)はトウショウボーイとの間に出来た仔であり、中山芝1600mの新馬戦から東京芝1600mの春菜賞を連勝して「いざクラシック」となった時に頓挫したのが大変残念でした。丘高の牝系にトウショウボーイの種となれば、血のロマンを思われたファンも多かったでしょう。

#私、日本語変換システムはGoogle 日本語入力を使用しているのですが「くもわか」と入力しましたら、何も設定していないのに「丘高」と変換されました。これは「しょんぼり」と入力して「→シンボリルドルフ <もしかして>」とサジェストされた時よりもビックリしました。

*

雪が舞う京都、冬枯れの芝の上で走った時。

祖母と母、そして生後8ヶ月の私も母に抱かれながら、一緒にテレビでレースを見ていたそうです。

人々の祈りと願いをその身に受けた栗毛の流星は、それに応えようと懸命に耐えましたが、43日間の闘病の末、天に召されました。

テンポイント。天翔ける流星となって星霜を経た今も、後輩たちが駆ける様を、どうぞ見守っていてあげてください。

 

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてがどうか無事でありますように。

*

[テンポイント(1973.4.19)の主な競走成績]

  1. 有馬記念、天皇賞・春、阪神3歳S、京都大賞典、鳴尾記念、京都記念・春、スプリングS、東京4歳S
  2. 有馬記念、皐月賞、菊花賞、宝塚記念
  3. 京都大賞典

通算18戦11勝、2着4回、3着1回。

テンポイント:競馬の殿堂 JRA
テンポイント|名馬メモリアル|競馬情報ならJRA-VANN
競馬史に偉大な足跡を残したテンポイントを紹介します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました