モーリス(2011.3.2)

モーリス(Maurice) 牡 鹿毛 2011.3.2生 日高町・戸川牧場生産 馬主・吉田 和美氏 美浦・堀 宣行厩舎

モーリス(2011.3.2)の4代血統表
スクリーンヒーロー
栗毛 2004.4.18
グラスワンダー
栗毛 1995.2.18
Silver Hawk
鹿毛 1979.4.20
Roberto 1969.3.16
Gris Vitesse 1966.3.2
Ameriflora
鹿毛 1989.1.29
Danzig 1977.2.12
Graceful Touch 1978.4.13
ランニングヒロイン
鹿毛 1993.4.8
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ダイナアクトレス
鹿毛 1983.5.4
ノーザンテースト 1971.3.15
モデルスポート 1975.2.23
メジロフランシス
鹿毛 2001.3.18
カーネギー
鹿毛 1991.2.26
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Detroit
黒鹿毛 1977.2.24
Riverman 1969.3.22
Derna 1961.2.25
メジロモントレー
黒鹿毛 1986.4.25
モガミ
青鹿毛 1976.5.18
Lyphard 1969.5.10
ノーラツク 1968.4.25
メジロクインシー
鹿毛 1981.7.1
フイデイオン
鹿毛 1972.5.26
メジロボサツ
栗毛 1963.5.12

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5×5、Hail to Reason5×5(父方)>

モーリス(2011.3.2)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
スクリーンヒーロー
(Roberto系)
カーネギー
(Sadler’s Wells系)
モガミ
(Lyphard系)
フイデイオン
(Tantieme系)
牝系 母の何番仔?
祖母が重賞4勝馬
(No. 10-d デヴオーニア系)
6番仔
(6連産目)

*

2015年の第47回ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII。中山芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 10 モーリス 牡4 55 戸崎 圭太 1:32.2 14-15-13 33.0 508
[-2]
堀 宣行 1
2 9 クラリティシチー 牡4 56 三浦 皇成 1:32.8 3 1/2 11-13-8 33.7 488
[+2]
上原 博之 4
3 4 インパルスヒーロー 牡5 56 田中 勝春 1:32.9 クビ 8-12-13 33.9 506
[-6]
国枝 栄 9
4 12 エキストラエンド 牡6 57 岩田 康誠 1:32.9 クビ 14-16-16 33.4 470
[-6]
角居 勝彦 5
5 13 ブレイズアトレイル 牡6 55 藤岡 康太 1:33.0 クビ 6-7-8 34.3 494
[+8]
藤岡 健一 7
2015年の第47回ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII。中山芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 11.5 – 11.8 – 11.1 – 11.3 – 11.6 – 11.7 – 10.9
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.8 – 35.6 – 46.7 – 58.0 – 1:09.6 – 1:21.3 – 1:32.2
上り 4F 45.5 – 3F 34.2

*

2015年の第65回安田記念(GI。東京芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 モーリス 牡4 58 川田 将雅 1:32.0 3-3 34.5 510
[+2]
堀 宣行 1
2 13 ヴァンセンヌ 牡6 58 福永 祐一 1:32.0 クビ 12-10 33.7 502
[-6]
松永 幹夫 3
3 12 クラレント 牡6 58 田辺 裕信 1:32.2 1 1/4 5-4 34.5 496
[-2]
橋口 弘次郎 12
4 10 フィエロ 牡6 58 戸崎 圭太 1:32.4 1 1/2 5-6 34.6 506
[+4]
藤原 英昭 2
5 15 ケイアイエレガント 牝6 56 吉田 豊 1:32.5 3/4 2-2 35.2 530
[0]
尾形 充弘 11
2015年の第65回安田記念(GI。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.4 – 10.8 – 11.1 – 11.6 – 11.4 – 11.2 – 11.3 – 12.2
ラップの
累計タイム
12.4 – 23.2 – 34.3 – 45.9 – 57.3 – 1:08.5 – 1:19.8 – 1:32.0
上り 4F 46.1 – 3F 34.7

2015年の第65回安田記念。気が付いたら栗東の吉田直弘厩舎から美浦の堀宣行厩舎に転厩していた、モーリス。2014年5月末の白百合S(OP)3着から約8ヶ月後の2015年1月末の若潮賞の勝利から始まって、スピカS、ダービー卿チャレンジトロフィー、そして安田記念と、転厩後は4戦4勝。スピカSとダービー卿チャレンジトロフィーは後方からの豪快なマクリによる勝利でしたが、この大一番では発馬を決めて、先行3番手から「おいでおいで」と強者の競馬。スクリーンヒーロー産駒初のGI制覇は、勢いと共に、ある意味で「事も無げ」に果たされました。そしてまた堀調教師にとっては、前週の第82回東京優駿(GI)のドゥラメンテ(2012.3.22)に続く、2週連続の1番人気馬によるGI連勝と相成りました。

*

2015年の第32回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 16 モーリス 牡4 57 R.ムーア 1:32.8 9-8 33.1 508
[-2]
堀 宣行 4
2 10 フィエロ 牡6 57 M.デムーロ 1:33.0 1 1/4 8-8 33.3 506
[0]
藤原 英昭 2
3 5 イスラボニータ 牡4 57 蛯名 正義 1:33.0 クビ 12-13 33.0 480
[+4]
栗田 博憲 1
4 8 サトノアラジン 牡4 57 C.ルメール 1:33.0 ハナ 9-10 33.2 526
[0]
池江 泰寿 3
5 7 アルビアーノ 牝3 54 柴山 雄一 1:33.1 クビ 5-4 33.7 512
[0]
木村 哲也 5
2015年の第32回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 10.9 – 11.1 – 12.5 – 11.9 – 11.1 – 11.5 – 11.2
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.5 – 34.6 – 47.1 – 59.0 – 1:10.1 – 1:21.6 – 1:32.8
上り 4F 45.7 – 3F 33.8

2015年の第32回マイルチャンピオンシップ。第65回安田記念以来5ヶ月半ぶりの出走も何のその、春の王者の底力を見せ付けて、モーリス。伊達や酔狂でGIを1番人気で勝っていた訳ではありません。やはり、強いものは強い。

モーリスは、転厩の効果が如実に現れた馬でもありました。また、堀宣行厩舎の戦術だったのか、モーリスの体力を考え、一発勝負でもキッチリと走ることが出来る仕上げをなされていたように見受けました。サスガの手腕。

*

2015年の第25回香港マイル(GI。シャティン芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 モーリス 牡4 57.2 Ryan Moore 1:33.92 堀 宣行 2
2 10 Giant Treasure せん4 57.2 Christophe Soumillon 3/4 Richard Gibson 9
3 1 Able Friend せん6 57.2 Joao Moreira クビ John Moore 1
4 14 Esoterique 牝5 55.3 Pierre-Charles Boudot 1 A Fabre 4
5 7 Contentment せん5 57.2 Nash Rawiller 3/4 J Size 5

2015年の第25回香港マイル。強いものは何処で走っても強い。海の外に出たモーリス、香港マイルの勝利により、2015年に出走したレースは6戦6勝の負け無し。史上に名を残すスーパーマイラーへの道を駆け上りました。2015年6戦6勝負けなしの成績を以てしてモーリス、JRA賞年度代表馬にして最優秀短距離馬に輝きました。

*

2016年の第16回チャンピオンズマイル(香GI。シャティン芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 モーリス 牡5 57.2 Joao Moreira 1:34.08 堀 宣行 1
2 2 Contentment せん5 57.2 Brett Prebble 2 J Size 2
3 12 Packing Pins せん5 57.2 Gerald Mosse 3/4 P F Yiu 5
4 5 Beauty Only せん5 57.2 Neil Callan 1/2 A S Cruz 4
5 8 Safety Check 牡5 57.2 James McDonald 1/2 Charlie Appleby 8

2016年の第16回チャンピオンズマイル。モーリス、このチャンピオンズマイルの勝利により堀宣行厩舎転厩後は7戦7勝となり、安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイル、チャンピオンズマイルと1600mのGI4連勝。恐るべしは、モーリスの絶対能力。尊ぶべきは、堀厩舎陣営の手腕。偉大なるは、メジロ牧場の遺産。その遺産を引き継ぎ、大切に育まれた戸川牧場さんに拍手。そして、競走馬として見初めらたのがノーザンファームであるところに驚嘆。日本の生産の巨人には、逆らえませんね^_^;

*

2016年の第154回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 モーリス 牡5 58 R.ムーア 1:59.3 5-5-4 33.8 514
[+4]
堀 宣行 1
2 12 リアルスティール 牡4 58 M.デムーロ 1:59.5 1 1/2 8-10-10 33.5 502
[+4]
矢作 芳人 7
3 14 ステファノス 牡5 58 川田 将雅 1:59.7 1 1/4 13-14-14 33.5 486
[0]
藤原 英昭 6
4 3 アンビシャス 牡4 58 横山 典弘 1:59.9 1 14-12-10 34.0 466
[-8]
音無 秀孝 4
5 5 ロゴタイプ 牡6 58 田辺 裕信 1:59.9 アタマ 3-3-4 34.5 496
[-6]
田中 剛 9
2016年の第154回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.3 – 12.0 – 11.6 – 11.9 – 12.0 – 12.3 – 12.0 – 11.5 – 11.0 – 11.7
ラップの
累計タイム
13.3 – 25.3 – 36.9 – 48.8 – 1:00.8 – 1:13.1 – 1:25.1 – 1:36.6 – 1:47.6 – 1:59.3
上り 4F 46.2 – 3F 34.2

2016年の第154回天皇賞・秋。チャンピオンズマイルの後に出走した安田記念でロゴタイプ(2010.3.10)の2着、札幌記念(GII)で同い年のステーブルメイト・ネオリアリズム(2011.3.22)の2着と連敗を喫してしまったモーリス。改めて距離克服が課題と見られましたが、母方に流れる重厚な血の成せる業でしょうか、終わってみれば、いつもの強くて速いモーリスでした。道中は先行5番手辺りを進み、直線では馬場外目に持ち出すと、後は威風堂々と脚を伸ばしました。その鋭脚は決勝点まで衰えを知らず、2着に突っ込んだリアルスティール(2012.3.1)に1と2分の1馬身差を着けての快勝でした。

*

2016年の第30回香港カップ(GI.シャティン芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 モーリス 牡5 57.2 Ryan Moore 2:00.95 堀 宣行 1
2 8 Secret Weapon せん6 57.2 Zac Purton 3 C H Yip 4
3 5 ステファノス 牡5 57.2 Christophe Soumillon 1/2 藤原 英昭 7
4 6 ラブリーデイ 牡6 57.2 Hugh Bowman 短アタマ 池江 泰寿 8
5 4 Blazing Speed せん7 57.2 Neil Callan クビ A S Cruz 6

2016年の第30回香港カップ。ラストランだったモーリス、やっぱり強すぎましたm(_ _)m

JRAの香港カップのレース成績・回顧のページにおける、「世界の名手」ライアン・ムーア騎手の言を引いておきますと、

マイルで素晴らしい馬ですが、2000mではもっと素晴らしいです

……母方の血統を思えば、そりゃあ、ですね。古馬になってからのモーリス、もうひとつ距離が伸びたレースでも、その走りを見てみたかったものです^_^;

ともあれ、モーリスの8代母デヴオーニア(1925)から連なる日本で継承された血が、世界の檜舞台で花開いた姿を見られた我々は幸せだったのでしょう。

*

モーリス。2010年代の1600m~2000mの最強馬。父がGIを制した2400m、あるいは祖父がGI連覇を果たした2500mの距離での走りも見てみたかったと思わせる馬でした。繰り返しますが、母方の血統を思えば、ね^^;

そんなモーリス。能力の確かさは代を重ねる時にも発揮されました。この記事をアップした時点において、

  1. Hitotsu(2018.9.11)
    →オーストラリアンダービー(GI)、ヴィクトリアダービー(豪GI)、オーストラリアンギニー(GI)。牡馬
  2. ピクシーナイト(2018.5.14)
    →スプリンターズS(GI)、シンザン記念(GIII)ほか。牡馬
  3. ジェラルディーナ(2018.5.12)
    →エリザベス女王杯(GI)、オールカマー(GII)ほか。牝馬。ジェンティルドンナ(2009.2.20)の仔
  4. ジャックドール(2018.4.8)
    →大阪杯(GI)、札幌記念(GII)、金鯱賞(GII)ほか。牡馬
  5. Mazu(2018.10.19)
    →ドゥームベン10000S(豪GI)、ロイヤルソヴリンS(豪GII)ほか。せん馬
  6. ノースブリッジ(2018.1.24)
    →AJCC(GII)、エプソムC(GIII)ほか。牡馬
  7. ディヴィーナ(2018.2.24)
    →アイルランドT府中牝馬S(GII)ほか。牝馬。ヴィルシーナ(2009.3.5)の仔
  8. シゲルピンクルビー(2018.1.26)
    →フィリーズレビュー(GII)ほか。牝馬
  9. Bank Maur(2019.9.1)
    →アリスタークラークS(豪GII)ほか。牡馬
  10. ルークズネスト(2018.3.11)
    →ファルコンS(GIII)ほか。牡馬
  11. ラーグルフ(2019.2.25)
    →中山金杯(GIII)ほか。牡馬
  12. カフジオクタゴン(2019.3.8)
    →レパードS(GIII)ほか。牡馬
  13. Kibou(2019.9.26)
    →アップ&カミングS(豪GIII)。せん馬
  14. ノッキングポイント(2020.1.30)
    →新潟記念(GIII)ほか。牡馬

1600m、2400m、2500mの距離でGIを勝ち、父、祖父、曽祖父を思わせたHitotsu。1200mのスプリントGIを制してJRA史上初の父仔4代GIレース制覇を遂げたピクシーナイト。2200mのエリザベス女王杯を制して「非根幹距離はRoberto系」を思わせてくれたジェラルディーナ。そして2000mの大阪杯を制して武豊騎手に「JRA史上最年長のGI勝利騎手」をプレゼントしたジャックドール等を始めとして、南北両半球でGレース勝ち馬を14頭輩出しています。

モーリス、エピファネイア(2010.2.11)と共に現在活性のRoberto系を支える名種牡馬として、これからも良い仔を送り続けて欲しいと願います。

 

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[モーリス(2011.3.2)の主な競走成績]

  1. 天皇賞・秋(GI)、安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、香港カップ(GI)、香港マイル(GI)、チャンピオンズマイル(香GI)、ダービー卿チャレンジT(GIII)
  2. 安田記念(GI)、札幌記念(GII)

通算18戦11勝、2着2回、3着1回。

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