Auguste Rodin(オーギュストロダン。2020.1.26)-第158回愛ダービー(GI)の勝ち馬-

Auguste Rodin(オーギュストロダン) 牡 青鹿毛 2020.1.26生 愛国・Coolmore生産 馬主・M Tabor & D Smith & Mrs J Magnier & Westerberg 愛国・A P O’Brien厩舎

Auguste Rodin(2020.1.26)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963.3.16
Highclere 1971.4.9
ロードデンドロン
鹿毛 2014.2.11
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Halfway To Heaven
黒鹿毛 2005.4.25
Pivotal
栗毛 1993.1.19
Polar Falcon 1987.6.1
Fearless Revival 1987.3.3
Cassandra Go
芦毛 1996.4.3
Indian Ridge
栗毛 1985.3.22
Rahaam
芦毛 1987.3.4

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>

Auguste Rodin(2020.1.26)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(サンデーサイレンス系)
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Pivotal
(Nureyev系)
Indian Ridge
(Clarion系)
牝系 母の何番仔?
母と祖母がGI3勝で叔母がGI7勝
(No. 3-d)
初仔

*

2023年の第158回愛ダービー(GI。カラ芝12F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 2 Auguste Rodin 牡3 58.1 Ryan Moore 2:33.24 A P O’Brien 1
2 1 Adelaide River 牡3 58.1 Seamie Heffernan 1 1/2 A P O’Brien 6
3 3 Covent Garden 牡3 58.1 Declan McDonogh 2 1/4 A P O’Brien 9
4 4 Peking Opera 牡3 58.1 Tom Marquand 5 1/2 A P O’Brien 8
5 8 Up And Under 牡3 58.1 Mikey Sheehy 1 1/2 Joseph Patrick O’Brien 5
​オーギュストロダンが愛ダービーも制覇、ハーザンド以来の英愛ダブル達成 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
現地2日、愛カラ競馬場でG1愛ダービー(3歳、芝12ハロン)が行われ、ディープインパクト産駒のオーギュストロダンが英ダービーとのダブル制覇を達成した。  3番手の好位を確保したオーギュストロダンは

ディープインパクト産駒Auguste Rodin、史上19頭目の英愛ダービーダブル制覇、成る。9頭立てを先行3番手から進めたAuguste Rodin、9ハロンから10ハロンに掛けて僚馬San Antonio(2020.1.27)にアクシデントが発生しましたが、それを内からくぐり抜けると、カラの直線およそ545ヤードでは逃げた僚馬Adelaide River(2020.3.11)との一騎打ち。シーミー・ヘファーナン騎手に鼓舞されたAdelaide Riverの粘りも見事でしたが、それをねじ伏せたのはサスガに英ダービー(GI)馬Auguste Rodinとライアン・ムーア騎手というところで、ゴール地点では1馬身半差を着けていました。Auguste Rodin、強い!!

上段で「史上19頭目の英愛ダービーダブル制覇」と記しました。そんな英愛ダービーダブル制覇を遂げた19頭を記しておきますと、

  1. Orby(1904)
    →史上初の英愛ダービーダブル制覇を果たしたOrbyは、日本でも直曾孫ダイオライト(1927)を通じて大きな影響を残しました。はい、日本競馬史上初の三冠馬セントライト(1938.4.2)の父がダイオライトです
  2. Santa Claus(1961)
    →英ダービーの2着がインデイアナ(1961)、愛ダービーの2着がライオンハーテツド(1961)と後の本邦輸入種牡馬を負かしてのダブル制覇でした
  3. Nijinsky(1967.2.21)
    →言わずと知れた「偉大なる」Nijinsky。英国や仏国ではレスター・ピゴット騎手、愛国ではリアム・ウォード騎手が手綱を取りました
  4. グランデイ(1972.4.3)
    →英愛ダービー勝ちの後に挑んだ”キング・ジョージ”(英GI)のBustino(1971.4.14)との一騎打ちが「世紀のレース」としても知られています。私が競馬を見始めた頃に走っていた産駒ワンダーワーロック(1989.3.23)も懐かしい
  5. The Minstrel(1974.3.11)
    →栗毛の流星が炎の闘志を燃やして、叔父Nijinskyに続いて英ダービー、愛ダービー、さらに”キング・ジョージ”と連勝。愛ダービーの2着は叔父の仔ラツキーソヴリン(1974.1.28)でした
  6. Shirley Heights(1975.3.1)
    →英ダービーをアタマ差勝ち、愛ダービーを短アタマ差勝ちと勝負強さを見せた、Mill Reef(1968.2.23)の仔。世界的にはDarshaan(1981.4.18)やSlip Anchor(1982.4.5)の父ですが、日本では薔薇一族の開祖とも言うべきロゼカラー(1993.2.15)の父としても印象に残っています
  7. Troy(1976.3.25)
    →記念の第200回英ダービーを7馬身差で制したTroy、日本ではピルサドスキー(1992.4.23)、ファインモーション(1999.1.27)兄妹の母父としても知られています。ピルサドスキーと同じウェインストック卿の勝負服でした
  8. Shergar(1978.3.3)
    →英ダービーを10馬身差、愛ダービーを4馬身差で制したアガ・カーンIV世の傑作は誘拐事件の被害に遭い、消息が分からず行方不明のまま……。仔アウザール(1983.5.17)、孫イブキラジョウモン(1992.3.23)という名前も懐かしい
  9. シャーラスタニ(1983.3.27)
    →欧州選手権距離ヴィンテージ世代の一角を担ったNijinskyの仔、英ダービーはダンシングブレーヴ(1983.5.11)を半馬身凌ぐと、愛ダービーでは8馬身差の圧勝を見せました
  10. Kahyasi(1985.4.2)
    →名前を連ねてみればShergar、シャーラスタニに続くアガ・カーンIV世の持ち馬。私が最も好きなNijinsky系種牡馬であるイルドブルボン(1975.5.23)の仔は、日本ではカラジ(1995.2.20)の父、世界的にはHasili(1991.3.12)の父、Zarkava(2005.3.31)の母父としても知られています
  11. ジェネラス(1988.2.8)
    →英愛ダービー、”キング・ジョージ”を3連勝した時の鞍上はJRA短期免許の嚆矢とも言うべきアラン・ムンロ騎手でした。半弟オースミタイクーン(1991.3.23)、半妹Imagine(1998.2.20)。尊ぶべきは母Doff the Derby(1981.5.13)
  12. コマンダーインチーフ(1990.5.18)
    →父ダンシングブレーヴが2着に敗れた英ダービーの無念を晴らした孝行息子は、そのまま無敗で愛ダービーも制覇。英ダービーは当時は代打屋でもあったマイケル・キネーン騎手のテン乗りによる勝利でした
  13. Sinndar(1997.2.27)
    →3年連続で「バリサックスS、愛ダービートライアルS、英ダービー、愛ダービー」の連勝を果たす名馬たちの始まりを飾った20世紀末の最強馬Sinndar。ジョニー・ムルタ騎手を世界的な表舞台に立たせた馬という感もあります
  14. Galileo(1998.3.30)
    →言わずと知れた21世紀最初のワンダーホースにして種牡馬の巨星。英愛ダービーの後の”キング・ジョージ”勝ちを正面から捉えた写真が印象に残っています
  15. High Chaparral(1999.3.1)
    →近年の英ダービー馬にしては珍しく2歳、3歳、4歳と3年連続でGI勝ちを果たした、Sadler’s Wells(1981.4.11)産駒の中で私が1番好きな馬
  16. Camelot(2009.3.5)
    →2歳時から数えればメイドン、レーシングポストT(英GI)、英2000ギニー(GI)、英ダービー、愛ダービーとデビュー以来5連勝でGI4連勝。それはNijinsky以来となる英三冠馬を狙いたくなります。Montjeu(1996.4.4)産駒の天才でした
  17. Australia(2011.4.8)
    →父Galileo、母Ouija Board(2001.3.6)というピッカピカの超良血馬Australia、今回の愛ダービーで2着だったAdelaide Riverの父でもあります。豪州の連想ですね
  18. Harzand(2013.3.6)
    →父Sea The Stars(2006.4.6)との父仔2代の英ダービー制覇の後、愛ダービーも制したアガ・カーンIV世の持ち馬5頭目の英愛ダービー馬
  19. Auguste Rodin(2020.1.26)
    →本稿の主役。2歳時にマイルGIを勝ち、3歳時に英愛ダービー勝ち。オブライエン師が本物のクラシック血統とおっしゃるのも頷けます

名前を列挙するだけで大変ですが「本物の名馬」しか成し得ない偉業を果たしたAuguste Rodin、名だたる先達に追い付け追い越せとばかりに、さらなる活躍を見せて欲しいと願います。

*

Auguste Rodinの鞍上のライアン・ムーア騎手は愛ダービー初制覇、そして管理されるエイダン・パトリック・オブライエン調教師は欧州クラシック100勝目(!)。前者は「超意外」な感がしますけれど、後者は「さもありなん」感が凄い。そんなオブライエン師は愛ダービー14勝目(!!)。もはや訳が分かりませんが14勝の内訳を確認しますと、デザートキング(1994.3.31)、Galileo、High Chaparral、Dylan Thomas(2003.4.23)、Soldier of Fortune(2004.2.20)、Frozen Fire(2005.2.19)、Fame And Glory(2006.3.20)、Treasure Beach(2008.3.25)、Camelot、Australia、Capri(2014.2.7)、Sovereign(2016.4.9)、Santiago(2017.3.11)、そしてAuguste Rodin。はい、当然のことながら、愛ダービー最多勝調教師ですm(_ _)m

英ダービー、愛ダービーと3歳選手権距離GIを連勝したことにより、現地ブックメーカーでは7月29日に行われる”キング・ジョージ”の1番人気にも推されているAuguste Rodin。

英愛ダービー制覇オーギュストロダンが上半期の欧州最強馬決定戦キングジョージの1番人気 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト
英愛ダービー制覇を果たしたディープインパクト産駒オーギュストロダン(牡3、A・オブライエン)が29日に行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、芝2390メートル、アスコット)の主役に

ただ、オブライエン師は慎重な構えを見せられていて、

今後については「1週間ほど様子を見てから厩務員たちと話し、彼らの見解を確認する」と明言を避けた。

欧州クラシック100勝目のオブライエン師、「オーギュストロダンは本物のクラシック血統」 | JRA-VAN World – 海外競馬情報サイト

本物のクラシック血統故に、競走生活だけではなく「その後のこと」も大切にされたいのでしょう。ええ、祖父がケンタッキーダービー(米GI)馬、父が日本ダービー(GI)馬、そして自身が英愛ダービー馬というAuguste Rodin。青鹿毛の流星の未来に幸多からんことを。ただただ祈るばかりです。

  

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

Auguste Rodin(オーギュストロダン。2020.1.26)-第244回英ダービー(GI)の勝ち馬-
Auguste Rodin(オーギュストロダン。2020.1.26)-第244回英ダービー(GI)の勝ち馬-

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