Auguste Rodin(オーギュストロダン。2020.1.26)-第244回英ダービー(GI)の勝ち馬-

Auguste Rodin(オーギュストロダン) 牡 青鹿毛 2020.1.26生 愛国・Coolmore生産 馬主・M Tabor & D Smith & Mrs J Magnier & Westerberg 愛国・A P O’Brien厩舎

Auguste Rodin(2020.1.26)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963.3.16
Highclere 1971.4.9
ロードデンドロン
鹿毛 2014.2.11
Galileo
鹿毛 1998.3.30
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Urban Sea
栗毛 1989.2.18
Miswaki 1978.2.22
Allegretta 1978.3.10
Halfway To Heaven
黒鹿毛 2005.4.25
Pivotal
栗毛 1993.1.19
Polar Falcon 1987.6.1
Fearless Revival 1987.3.3
Cassandra Go
芦毛 1996.4.3
Indian Ridge
栗毛 1985.3.22
Rahaam
芦毛 1987.3.4

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>

Auguste Rodin(2020.1.26)の血統の簡易まとめ
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(サンデーサイレンス系)
Galileo
(Sadler’s Wells系)
Pivotal
(Nureyev系)
Indian Ridge
(Clarion系)
牝系 母の何番仔?
母と祖母がGI3勝で叔母がGI7勝
(No. 3-d)
初仔

*

2023年の第244回英ダービー(GI。エプソムダウンズ芝12F6y)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 4 Auguste Rodin 牡3 58.1 Ryan Moore 2:33.88 A P O’Brien 2
2 7 King of Steel 牡3 58.1 Kevin Stott 1/2 Roger Varian 13
3 14 White Birch 牡3 58.1 Colin Keane 4 3/4 John Joseph Murphy 6
4 11 Sprewell 牡3 58.1 Shane Foley 1 3/4 Mrs John Harrington 7
5 12 The Foxes 牡3 58.1 Oisin Murphy 1 1/4 Andrew Balding 4

The Jockey ClubのYouTubeチャンネルで気合の入った紹介をしてくれていて嬉しいなぁ」と金曜日の夜に思っていましたら、ディープインパクトのラストクロップ12頭の1頭であるAuguste Rodin、類稀な勝負根性と末脚の素晴らしさを見せて、エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードの「The Derby」を勝ち切ってくれました。うおぉー、日本生産調教馬が、種牡馬として、英ダービー馬を輩出する日がやって来るとは。

日本近代競馬の結晶たる英雄は、やっぱり最後の最後まで英雄でした。そして英雄の仔たるAuguste Rodin、前走英2000ギニー(GI)でChaldean(2020.5.10)の12着からの巻き返しは本当にお見事。母ロードデンドロンと祖母Halfway To Heavenが共にGI3勝、叔母Magical(2015.5.18)がGI7勝というとんでもなくピッカピカの良血馬の真価は、世界最高峰のダービーで発揮されたのでした。

Halfway To Heaven 2005.4.25 4勝 愛1000ギニー(GI) サンチャリオットS(英GI) 英ナッソーS(GI)ほか
|Flying The Flag 2010.2.21 3勝 愛インターナショナルS(GIII)ほか
|ロードデンドロン 2014.2.11 5勝 ロッキンジS(英GI) オペラ賞(仏GI) フィリーズマイル(英GI)ほか
||Auguste Rodin 2020.1.26 (本馬) 英ダービー(GI) フューチュリティS(英GI) ジュヴェナイルS(愛GII)
|Magical 2015.5.18 12勝 英チャンピオンS(GI) 愛チャンピオンS(GI)2回 タタソールズゴールドC(愛GI)2回 愛プリティポリーS(GI) ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズS(英GI)ほか

「ツツジ」という意味の母ロードデンドロンは2017年の英オークス(GI)で1番人気2着でしたから、母が敗れた舞台で息子が雪辱を果たしてくれました。ロードデンドロン、英オークスはEnable(2014.2.12)が相手では後に振り返れば分の悪い勝負でしたけれど、繁殖牝馬としては一歩先んじて結果を出してみせました。そしてまた普遍の真理たる「空胎後に名馬あり」。ロードデンドロン、2019年2月10日に一度切りの逢瀬となったディープインパクトとの間に出来た初めての仔が、史上に残る大仕事を成してくれました。

*

Auguste Rodinを英ダービー馬に導いた「名手」ライアン・ムーア騎手はワークフォース(2007.3.14)、Ruler of the World(2010.3.17)に続く英ダービー3勝目。そうしてAuguste Rodinを管理されるエイダン・パトリック・オブライエン調教師はGalileo(1998.3.30)、High Chaparral(1999.3.1)、Camelot(2009.3.5)、Ruler of the World、Australia(2011.4.8)、Wings of Eagles(2014.3.17)、Anthony Van Dyck(2016.5.19)、Serpentine(2017.3.20)に続く調教師として史上最多の英ダービー9勝目(!!)。その手腕は言わずもがなですけれど、オブライエン師の才覚は「話しぶり」に表れていると思うようになりました。今回のAuguste Rodinの英ダービー制覇後も、Racing TVのインタビューで喋られること、喋られること^^;

「大長編ドラえもん『のび太の宇宙小戦争』に出てくるロコロコか…」と、訳の分からない印象を持ってしまったのです。しかしながら、言語を超えて訴えかけてくるものがあり、その多弁さ、雄弁さがオブライエン師を現代競馬における世界一のトップトレーナーに押し上げているのだと感じました。「雄弁は銀沈黙は金」なんてことわざもありますが、やっぱり雄弁は金です。……あ、日曜の沈黙は、日本に金をもたらしましたので、沈黙は金もやっぱりそのとおりです^^;

*

なんだかよく分からない記事になってしまい、恐れ入ります。兎にも角にも、Auguste Rodinが英ダービーを制してくれて、本当に嬉しかった。土曜日の夜にふわふわとした気持ちにしてくれて、有り難う、有り難う。

恐らくは欧州の選手権距離の路線を突き進むことになるであろう、Auguste Rodin。ディープインパクトの仔の未来に幸多かれと、日本の空の下から、遠く愛国の優駿に祈りを捧げて、結びといたします。

  

では、以上雪の家(ゆきのや)でした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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